ガビゴウの大活躍でフラメンゴが南米王者に。2019年のリベルタドーレス杯はブラジルのフラメンゴが優勝!
2019年 12月 2日
11月23日(土)にペルーのリマで、リベルタドーレス杯の決勝が行われた。
リベルタドーレス杯は南米のクラブ王者を決める大会だ。2018年までは決勝戦を含むすべての試合をホーム&アウェーで戦っていたが、今年(2019年)からヨーロッパにおけるチャンピオンズリーグと同様、決勝戦だけはレギュレーションが変わり、中立地で一発勝負を行う形となった。
新たな形で行われた決勝戦は、リバープレート(アルゼンチン)とフラメンゴ(ブラジル)という、名門クラブ同士の対戦となった。
前半14分にリバープレートが先制。試合は1-0のまま動かず、リバープレートの優勝が見えてきた後半終了間際に、フラメンゴがガビゴウことガブリエウ・バルボーザのゴールで同点に追いついた。
フラメンゴは、勢いそのままに、後半アデイショナルタイムに入った直後に再びガビゴウがゴールを決め、劇的な勝利を収め南米王者に輝いた。
ガビゴウは、一躍、ときの人となった。
フラメンゴの優勝は、1981年以来2度目。実に38年ぶりということになる。ジーコが主力として活躍していた時代以来ということだ。
1981年のフラメンゴは、リベルタドーレス杯を優勝し、同年のトヨタカップ(クラブW杯の前身)ではヨーロッパ王者リバプール相手に3-0と圧勝し、ジーコの名前を日本のファンに印象付けた。
フラメンゴはリオの名門チームで、ブラジルで一番人気が高いチームと言われている。ちなみに2番目に人気が高いのは、サンパウロの名門コリンチャンスというのが定説だ。
そんなフラメンゴだが、現在のメンバーを見ると、右SBにバイエルンで長年活躍していたハフィーニャ、左SBには代表でも長年レギュラーでアトレチコ・マドリッドで活躍していたフィリピ・ルイスがいる。そして10番を背負うのは、かつてサントスで同年代のホビーニョと共に一時代を築いたジエゴ。いまだに第一線で活躍している。
しかし、なんといっても今のフラメンゴの最大のスターといえばガビゴウだ。
ほんの数年前、ブラジルでは、当時パウメイラスで活躍していたガブリエウ・ジェズスとともにWガブリエウといわれ、注目を集めていた。
ガビゴウは、若くしてサントスの10番を背負い、ネイマールの後継者として期待され、活躍し、2016年のリオ五輪では、主力選手としてネイマールと共に金メダル獲得に貢献した。
サントスでの活躍を受け、2016年8月にインテル(イタリア)に移籍。注目度はかなり高かったが、インテルではまったく活躍できず、翌年ベンフィカ(ポルトガル)にレンタルされるも、ここでもレギュラーに定着できなかった。
マンチェスターシティ(イングランド)でブレイクしたガブリエウ・ジェズスとは対照的だった。
インテルに所有権があるまま、2018年1月には古巣サントスにレンタル移籍した。
ところが驚くことに、ブラジルリーグに復帰した2018シーズンで、ガビゴウはいきなりブラジルリーグの得点王に輝く。
2019年1月に、フラメンゴにレンタル移籍。
今シーズンは昨年以上に絶好調で、ブラジルリーグでもゴールを重ね、2位以下に大差をつけ、フラメンゴの優勝に貢献している。
そして、今年10月、約3年ぶりにブラジル代表復帰も果たした。
先発出場はできなかったが、10月13日の対ナイジェリア戦では、後半途中からフィルミーノに代わり、ブラジル代表のピッチに立っている。
リベルタドーレス杯を制したフラメンゴは、南米代表として、12月11日からカタールで行われるクラブワールドカップに出場する。
クラブワールドカップでは、2012年のコリンチャンスを最後に、南米のクラブは優勝から遠ざかっている。すべてヨーロッパ王者が優勝している。フラメンゴの健闘を祈りつつ、ガビゴウの活躍にも大いに期待したい。
(文/コウトク)