【コラム】急遽ホスト国になったブラジルで、コパアメリカが開幕。開幕戦は、ネイマールの活躍でブラジルが快勝
2021年 06月 15日
さて、そんな経緯を経て開催された開幕戦だが、6月13日(日)18:00(日本時間14日(月)早朝6:00)に、急遽ホームとなったブラジルがベネズエラを迎え入れ、首都 ブラジリアで行われた。
淡々と、選手入場する選手たち。
ブラジル代表は、前回王者であり、ワールドカップの南米予選でも6戦全勝と好調で、今大会でも優勝候補の筆頭に挙げられる。
優勝した前大会から2年しか経っておらず、監督も同じなので、チームとしての戦い方は共通している。また、ベースとなる選手は大方共通しているが、意外にも、有力選手は入れ替わっていた。
前大会でキャプテンとして大活躍したDFダニエウ・アウヴェス(サンパウロ)、エース級の働きをしたMFコウチーニョ(バルセロナ)は、今回選ばれていない。
また、前大会では、ネイマール(パリサンジェルマン)は出場していなかった。直前の試合での怪我が原因だったが、婦女暴行疑惑などもあり、とても出場できるような状態ではなかったのだ。
今大会では、ネイマールは10番を背負って出場している。
前大会との違いは、何といっても、絶対的エースのネイマールがいることだが、ベースとなるサッカーは変わらない。
試合は、終始ブラジルが優勢にゲームを支配した。
開催前にはボイコットを考えていたブラジル代表の選手たちだったが、試合になると、完全に戦闘モードに入っていた。
前半は、SBのロディ(アトレチコマドリッド)とネイマールのコンビネーションが冴えわたり、左サイドからの攻撃が目立った。
後半は、後半開始から途中出場を果たしたFWエベルトン・ヒベイロ(フラメンゴ)が、特にボールに絡んで、いい動きを見せていた。
前半23分に、ネイマールのCKからFWリシャーリソン(エバートン)がそらし、最後はDFマルキーニョス(パリサンジェルマン)が決め先制した。
後半17分には、右SBダニーロ(ユベントス)がPA内で倒されPKを得、それをネイマールが落ち着いて決め2点目を決めた。
そして最後は、後半終了間際に、途中出場のガビゴウことガブリエウ・バルボーザ(フラメンゴ)がネイマールからのラストパスを胸で押し込み、ダメ押しの3点目を決めた。
終わってみれば、3-0でブラジルは快勝。ネイマールが全3点に絡む大活躍だった。
ネイマールは、コンディションもよさそうだし、やはり、格が違うことを再認識させられた。
ブラジル代表は、ネイマールを筆頭に個人技も強みではあるが、それ以上に、全員がよく走り、全くさぼらない。全員攻撃・全員守備のチチの新しいブラジルサッカーが、とてもよく浸透していた。
個人的には、後半ロディに代わりアレックス・サンドロ(ユベントス)が入ったことで、ネイマール、ダニーロ、アレックス・サンドロというサントスが最も輝いていた頃のチームメイトの競演に心踊らされた。
それ以外にも活躍を見たい選手はたくさんいるが、グループリーグが4試合もあるので、これから、たくさんいい選手の動きを見ることができるだろう。
なお、なかなか決まらなかった日本での放映については、動画配信サービス「ABEMA」が全試合を独占ライブ配信することとなった。
筆者はこれまで「ABEMA」には馴染みがなく、この開幕戦で初めて利用した。特に中断することもなく、ストレスなく見ることができた。前回は「DAZN」で配信したが、今回はなかなか放映の発表がなかったので、日本では見ることができないと思っていた。だから「ABEMA」には感謝しかない。
今大会は、新型コロナウイルスの感染症との戦いとなる。約1か月間という長丁場で、いろいろと問題は出てくると思うが、ブラジルを中心に、どのような戦いを見せてくれるか、しっかりと見守っていきたいと思う。
なお、次のブラジルの試合は、6月17日(木)21:00(日本時間18日(金)午前9:00)にリオデジャネイロのエスタジオ・ニウトン・サントス(通称エンジェニャオン)で、難敵ペルーを相手に行われる。
(文/コウトク)