PSG、対レッズ戦前日練習は“鬼ごっこ+椅子取りゲーム”!?

2022年 07月 23日

7月22日(金)、秩父宮ラグビー場。試合前日練習を行うパリ・サンジェルマン(撮影/コウトク)

7月22日(金)19:00から、秩父宮ラグビー場で、パリ・サンジェルマン(PSG)ジャパンツアーの2戦目に当たる浦和レッズ戦の前日練習が行われた。冒頭の15分間のみ報道陣へ公開された。

ひっそりとしていた。

スター選手がひしめく華やかな超ビッグクラブの練習とは思えないほど落ち着いた雰囲気だった。有料で観客を入れた公開練習があまりに華やかだっただけに、その静かな雰囲気は一層強く感じられた。

サッカー少年・少女たちを対象にしたサッカークリニックから始まった一連の秩父宮でのイベントは、これで最後となる。

7月22日(金)、秩父宮ラグビー場。試合前日練習を行うパリ・サンジェルマン(撮影/コウトク)

そんな秩父宮での最後の練習、そのいちばん最後に登場してきたのがネイマールだった。

グランドに足を踏み入れる瞬間スタンドに目を向け、一瞬目が合った。ドキッとした。

選手・コーチ陣がグランド中央に集まると、選手たちはすぐに南スタンド側に移動。メインスタンドに陣取っていた筆者も、選手たちの動きに合わせてスタンド中央から南側へ移動した。

全選手が大きな一つの円になり、円の中央のコーチの掛け声に合わせてウォーミングアップを始めた。

ネイマールとメッシは隣同士、キャプテンのマルキーニョスは、セルヒオ・ラモスの隣にいた。

続いて、その円状態のまま、二人一組でくっついて並び、鬼ごっこのようなトレーニングが始まった。ここでも、ネイマールはメッシと一緒だった。

このトレーニングはサッカーの練習ではあまり見かけないものだった。鬼ごっこと椅子取りゲームを一緒にしたようなもので、スター選手たちもまるで子どものようにはしゃぎながら走り回っていた。

メッシが捕まり鬼になることもあり、皆に「レオ」と呼ばれていたのが印象的だった。ネイマールは一番表情豊かに走り回っていた。

スター選手たちも普通のサッカー少年たちと変わらないのだなぁと思い、何だかとても嬉しい気持ちなった。

このトレーニングが終わったところで、15分間の公開時間が終了した。

その後選手たちは、バックスタンド側へ移動し、ボールを使った練習に入るようだった。

この秩父宮での前日練習が、今ツアーでの私の取材の最後となった。今回のPSGジャパンツアーでは公式記者会見から始まり、全部で5つの取材に参加した。5つの取材を通し、自分にとっての感じ方もいろいろとあり、変化もあった。最後の取材となったこの日もっとも強く感じたことは、ネイマールは魅力的な人間だ、ということだった。

7月22日(金)、秩父宮ラグビー場。試合前日練習を行うパリ・サンジェルマン(撮影/コウトク)

サントスでデビューしていた時から見守り続けている者として、ネイマールは特別な存在だ。いつでも、ネイマールが活躍すれば嬉しいし、批判されたら悲しい気持ちになる。

今回のジャパンツアーでは、特に一般公開練習の時に少しネガティブな印象を感じたこともあったが、5回の取材を通して、人としてネイマールほど輝いている人間はいないと感じた。

喜怒哀楽を出しすぎるので批判も受けやすいが、その分、とても表情豊かで人間らしさが感じられる。サッカー選手としても一流だが、一人の人間としてとても魅力的だと思った。だからこそ、サッカー界以外にも友人が多く、いろいろな場面でいろいろな人たちとコラボレーションしているのだろう。

PSGのジャパンツアーはまだまだ続く。

本日(23日(土))の浦和レッズ戦、そして25日(月)のガンバ大阪戦と、あと2試合ある。スーパースターたちのスーパープレーをあと2試合も見ることができるのだ。この2試合については、動画配信サービスParaviで生中継される。

(文/コウトク)

著者紹介

コウトク

2005年6月~2012年6月まで仕事の関係で、ブラジルに在住。ブラジル在住当時は、サッカー観戦に興じる。サントス戦については、生観戦、TV観戦問わずほぼ全試合を見ていた。
2007年5月のサンパウロ選手権と2010年8月のブラジル杯のサントス優勝の瞬間をスタジアムで体感。また、2011年6月のリベルタドーレス杯制覇時は、スタジアム近くのBarで、大勢のサンチスタと共にTV観戦し、優勝の喜びを味わった。

コラムの記事一覧へ