ブラジルの建築家リナ・ボ・バルディ展、今日から開幕
2015年 12月 4日日本ブラジル外交樹立120周年にあたる今年、2015年は、ブラジルの文化を紹介するさまざまな催しが日本で開催されている。7月~10月には、東京都現代美術館(江東区)で「オスカー・ニーマイヤー展 ブラジルの世界遺産をつくった男」が開催された。
12月4日(金)からはワタリウム美術館(渋谷区)で、やはりブラジルを代表する建築家のひとりリナ・ボ・バルディを紹介する展覧会「リナ・ボ・バルディ展 ブラジルが最も愛した建築家」が開催される。
サンパウロ市の顔ともいえる建物、「マスピ(MASP)」の愛称で知られるサンパウロ美術館の設計でも知られるリナ・ボ・バルディはイタリア、ローマ生まれ。第二次世界大戦後の1946年、夫のピエトロ・マリア・バルディ氏と共にブラジルに渡り、1951年、ブラジル国民に。以降、ブラジルで、建築デザイン、演劇の舞台美術や衣装のデザインなどを数多く手掛けた。
「リナ・ボ・バルディ展 ブラジルが最も愛した建築家」の監修は、「オスカー・ニーマイヤー展 ブラジルの世界遺産をつくった男」の会場構成を担当した日本を代表する建築事務所SANAAの妹島和世氏、デザインは周防貴之氏、が手掛けている。また、リナ・ボ・バルディの建造物の模型も、「オスカー・ニーマイヤー展 ブラジルの世界遺産をつくった男」で会場の模型を製作した野口直人建築設計事務所が手掛けている。
開催に先駆けて3日(木)、ワタリウム美術館と駐日ブラジル大使館でオープニング・セレモニーが開催された。
セレモニーに参加した駐日ブラジル大使館のアンドレ・コヘーア・ド・ラーゴ大使閣下は、訪日がキャンセルとなったブラジルのジウマ・ルセフ大統領が訪日していたら、この会場に参列する予定だったと述べた。
「大統領は来日することができませんでしたが、現大統領はブラジル初の女性の大統領です。もし来日されていたら、ブラジル最高の女性建築家であるリナ・ボ・バルディの日本で初となる大規模な展覧会が、女性である和多利志津子さんが館長を務めるワタリウム美術館で開催されることを大変喜ばれたことでしょう」(アンドレ・コヘーア・ド・ラーゴ大使閣下)
(次ページへつづく)
(写真・文/麻生雅人)