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ブラジルで、元ストリートチルドレンだった男性が最高裁判所の弁護士に

弁護士になったストリートチルドレン

イズマエウさんは8歳になったとき、生まれたばかりの妹が入院したため、母は妹の世話をするため病院に行きっぱなしになり、おばが一時的にイスマエウさんたち兄弟の様子をみにきてくれた。その隙に、彼は家を飛び出して空港に向かったという。

「僕は時々神の思し召しのようなものを感じることがあって、時々なんでそんなことをするのかわからないことがありました。母は優しかったし、継父は僕によくしてくれたから逃げる理由などなかったんです。でもおばがうちにやってきたとき、急に思い立ったんです」

33歳になった今もイズマエウさんは家族のもとを離れた理由をうまく説明できないという。

「おそらくいろんなことがあって、自分が住んでいたところが嫌になったのでしょう。貧しい地域だったし、あの状況がすべて家族にとってひどい状態だったから。いろんなことが積み重なって外に飛び出したのだと思います。いずれにしても、計画してやったことではありませんでした」

当時は字を読むこともできなかったが、彼はバスの便名を暗記していて、着の身着のままで「プラノ・ピロット(ブラジリア中心部)」行きの394番のバスに乗った。

足が向いたのはジュセリーノ・クビシェッキ空港だった。空港のまぶしさにめまいしながら、イズマエウさんは何時間も空港内をくまなく歩いた(次ページへつづく)。

(文/余田庸子、写真/A Raça de Ismael/Reprodução)
写真はイズマエウ・バチスタさんが子供のころに暮らしていた通りのバラック小屋

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