リオ五輪~前半戦を振り返る<柔道編>

2016年 08月 17日

リオ五輪 海老沼

8月5日(金)(日本時間6日(土))に行われた開会式で開幕したリオデジャネイロオリンピックも早いもので3週間近くが経過し、既に後半戦に入っている。

日本は、水泳、柔道、体操などの主要競技でスタートダッシュに成功し、いまだかつてないほどのメダルラッシュに沸いている。そんな前半戦を競技ごとに振り返ってみたい。

今回は日本のお家芸、柔道についてである。

柔道の初日、最軽量級では、柔道はまさに紙一重の競技だと改めて感じさせられた。そんな紙一重の競技で、日本代表の男子は全7階級にてメダルを獲得、女子は全7階級中5階級でメダルを獲得という素晴らしい成績を残した。

しかし、同じ色のメダルを取っても、選手の境遇、経歴などによって、かなり状況は異なるように思う。

1日目の男子60kg級の高藤、女子48kg級の近藤の銅メダルに続き、2日目、男子66kg級の海老沼匡、女子52kg級の中村美里はともに銅メダルを獲得した。

海老沼は、2012年ロンドン大会に続き、2回目の代表。ロンドン五輪では、準決勝での誤審騒動が記憶に新しい。当時の柔道は、技での勝負が決まらない場合、3人の審判による判定で勝敗を決めていたが、ビデオ判定にまで持ち込まれ、判定の結果が覆るということがあった。この準々決勝では勝ち進んだ海老沼だったが、銅メダルに終わっていた。世界選手権では3連覇しているが、五輪での借りを返すべく今大会に臨んでいた。残念ながら今回も銅メダルに終わってしまった。本人にとっては相当に無念だったと思う。

一方の中村も似たような境遇だ。世界選手権は3度制しているが、五輪では2004年北京大会で銅メダル、2008年ロンドン大会では初戦敗退で、今大会は何としても金がほしかったはずだ。笑わない柔道家として有名なようで、ぜひ金メダルを取って笑顔を見せてほしかったが、準決勝で世界ランキング1位の選手に惜しくも破れ、北京大会と同様に銅メダルを獲得した(次ページへつづく)。

(文/コウトク、写真/Roberto Castro/Brasil2016)
写真は8月7日、日系ブラジル人のチャールズ知花選手と対戦した海老沼匡選手

著者紹介

コウトク

2005年6月~2012年6月まで仕事の関係で、ブラジルに在住。ブラジル在住当時は、サッカー観戦に興じる。サントス戦については、生観戦、TV観戦問わずほぼ全試合を見ていた。
2007年5月のサンパウロ選手権と2010年8月のブラジル杯のサントス優勝の瞬間をスタジアムで体感。また、2011年6月のリベルタドーレス杯制覇時は、スタジアム近くのBarで、大勢のサンチスタと共にTV観戦し、優勝の喜びを味わった。

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