カテゴリ : column フッチボウ・アルチ~ブラジルサッカーの魅力~
2021年 06月 15日 17:55

昨年(2020年)からスポーツ界では、大きな大会がCOVID-19のパンデミックの影響を受け、中止や延期に追い込まれている。
東京オリンピック・パラリンピックだけでなく、昨年に開催が予定されていたサッカーの大きな2つの大会も、1年間延期されることになっていた。UEFA EURO(ヨーロッパ選手権)(以下ユーロ)とCONMEBOL コパアメリカ(南米選手権)(以下コパアメリカ)である。
いずれも、ナショナルチームによる大陸王者を決める大会だ。
この2つの大会はいずれも1年延期され、奇しくも、ほぼ時を同じくして開催することになった。ユーロが6月11日(金)から7月11日(日)まで、そして、コパアメリカは6月13日(日)から7月10日(土)まで、と開催期間がほぼ等しい。
特に、準々決勝(7月2,3日)・準決勝(7月6,7日)は全く同じ日程で、決勝も同じ週末に行われる。
コパアメリカの開催年については100年以上の歴史のうえで度々変わっているが、近年ではFIFAワールドカップの翌年に、4年に一度の間隔で行われていた。
しかしながら、2019年に突如としてユーロと同じ年に行うことに決めたため、直後のユーロ開催年(2020年)から、ワールドカップとワールドカップのちょうど間の年、すなわちオリンピックイヤーに行うことになったのだ。
グループリーグを3つから2つに変え、試合数を増やし収益アップを狙うことも目的の一つと言われている。
また、ヨーロッパでも南米でも代表選手は、ほとんどがヨーロッパのクラブでプレーしているので、同じ日程で大会を開催するほうが合理的だという考え方もあるかもしれない。
しかし、サッカーファンとしては、このような歴史的な大きな2つの大会が、完全に日程が被ってしまうのは、残念な気もしてしまう。
日本では、いや、南米以外の世界中のあらゆる地域で、圧倒的にユーロのほうが人気は高いだろう。コパアメリカは、ユーロの陰に隠れて陽の目が当たらない大会になるかもしれない。
ところで、今回、ユーロが比較的スムーズに開催されたのに対し、コパアメリカは開催にこぎつけるたまでにも、ひと悶着があった。
当初の予定では、アルゼンチンとコロンビアの共催のはずだった。
しかし、開催まで3週間ほどに迫った5月20日に、コロンビアが政情不安を理由に開催を辞退。そして、その10日後にはアルゼンチンがCOVID-19の感染拡大の影響により辞退してしまったのだ。
今大会はもう開催できないと思わざるを得なかった。しかし、その翌日の5月31日に、急遽ブラジルで開催することが決定したのだ。
(次ページへつづく)
(文/コウトク)
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